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学修者も、指導者も
「失敗を恐れずチャレンジを」
そして、失敗も経験に。

[画像:同志社女子大学先生方]

※この記事は2018年11月に発刊された広報誌"SimSim vol.4"に掲載された記事の再掲です。

2018年秋新発売の京都科学のシミュレータ、「Konoha(このは)」
搭載された周産期のシナリオと共に、妊娠期から産じょく期に至る一連のトレーニングができるシミュレータです。

今回はそのシナリオをご監修頂いた同志社女子大学看護学部の眞鍋先生和泉先生に、大学で実践されている教育について、また、ご監修いただいたシナリオ制作の背景などをお話しいただきました。

シナリオを使ったシミュレーション

シナリオを使ったシミュレーションはいつごろから?

[画像:同志社女子大学先生方]

左:眞鍋先生、右:和泉先生

眞鍋先生(以下敬称略)  8年前から、看護基礎教育において看護実践能力の可視化や評価のツールになると考えて、OSCEやシミュレーション教育に取り組んできました。
最初は先駆的に取り組まれている大学の見学や研修会に参加して、試行錯誤しながらシナリオを作成し、実践、評価のプロセスを繰り返しています。

演習の進め方は?

和泉先生(以下敬称略)  シミュレーションは、課題提示、ブリーフィング、課題の遂行、デブリーフィングで構成しています。実施者は、ブリーフィング後にクジを引かせて決定します。誰が実施者になってもいいように、緊張感をもたせています。

また、ブリーフィングやデブリーフィングでは、学修者が主体的に考えることができるようファシリテーターの指導者は配慮しています。しかし、間違っていることはきちんと指摘するようにもしています。 そして、クジで実施者に当たらなかった場合もプラクティカルサポートセンター(スキルスラボ)で自己学修ができるように環境を整えています。

眞鍋  そのセンターには、学修者がひとりでも学修できるシナリオも提示しています。 母性看護領域では、胎児心拍数測定、新生児のバイタルサイン測定や沐浴など7つを準備しています。

Konohaの監修シナリオ

ご監修頂いたシナリオへの想い

同志社女子大学看護学部 監修 Konoha搭載シナリオ一覧
妊婦経腹部の計測診による胎児の発育状況の確認
レオポルド触診法による観察とアセスメント
超音波ドップラー法による観察とアセスメント
切迫早産の妊婦の観察とアセスメント
体児心音下降時の対応:1人での対応
体児心音下降時の対応:2人での対応
妊娠高血圧症候群の妊婦の観察とアセスメント
分娩第1期の観察とアセスメント
産後3日のじょく婦の退行性変化の観察とアセスメント

和泉  9つのシナリオ、それぞれに学修目標も思い入れも違います。 ①〜③のシナリオは、正常な妊娠経過の観察です。これらは臨地実習では経験場面が少ないので、Konohaのシナリオで学んでほしいと思っています。

眞鍋  9つ目の「産後3日のじょく婦の退行性変化の観察とアセスメント」は、手順は教科書にも掲載されていますが、学修者は教科書だけでは子宮を触診するときのお腹への圧のかけ方や感触がイメージできません。Konohaで触診するとその感触を体験できるので、それから臨地実習に行かせたいと思っています。

和泉  妊婦の腹部触診(レオポルド触診法)でも手掌を丸くして触れ、力加減や手のどこに神経を集中させて診るのかを学んでほしいです。

チェック項目の「身だしなみを整える」について

[画像:同志社女子大学先生方]

各シナリオごとに設定されたチェック項目を使って、学修者の行動を記録。

和泉  患者様と接するには、知識・技術だけでなく態度面も意識して看護者としての姿勢を身につけてほしいです。 以前より行っていた技術チェックだけでも態度面は確認していましたが、シミュレーションでは、状況設定に応じた適切な態度を評価できます。
また、思考過程や考え方、事象のアセスメントも丁寧にチェックできます。

眞鍋  状況や患者設定をすることで、「患者様の状態や状況にいかに気づき、看護実践に活かせるか」。瞬時の臨床判断能力を求められます。 その判断に基づき、看護ケアの方向性を見出し、行動を決定します。
シミュレーションは多様な場面設定が可能なので、限られた時間で学修者が患者様の状況を知覚し、情報収集、看護ケアの方向性を定めていくという一連のプロセスが明らかにできます。 変化のあるシミュレーションは、学修者も楽しいと思います。

学修者も指導者も、まずは挑戦してみる!

シミュレーションの導入を検討されているご施設に、アドバイスをお願いします

[画像:同志社女子大学先生方]

「はじめて担当する妊産婦」がキャッチフレーズのKonoha。

眞鍋  準備時間や人員も要しますので、限られた教育環境のなかで実施するのは大きな課題だと思います。
それに見合った教育効果が得られるか保証されていない状況で、躊躇されるかもしれませんが、まず挑戦してみてください。私たちも未だに反省点はたくさんあります。

臨床現場は、患者様にとっては療養生活の場であり、学修者のために時間をかけるなどの学修環境は常に保障されるわけではありません。それを補う意味でも、シミュレーションを積極的に取り入れることで、学修者を中心とした教育の展開ができます。学修者は、失敗を恐れることなく、時間をかけて繰り返しトレーニングもできます。

このような安全で安心な学修環境で、主体的に知識を補い、専門的な技術を向上させることができると考えています。

和泉  まだまだ課題は多いですが、実施後の学修者へのアンケートで、「自分の課題が見つかった」や「実習前に実習のイメージができ良かった」といった意見があり、その効果は大きいと感じています。 私たちも母性看護学の領域でKonohaの機能を有効に活用し、シミュレーション教育および学修者の自己学修をより良いものに充実させていきたいと思っています。

「Konoha」についてのお問い合わせ

株式会社京都科学 企画課

  • メール: rw-kyoto@kyotokagaku.co.jp
  • 電 話: 075-605-2510
WEBお問い合わせフォーム

先生方の教育への思いや日々の工夫をお伺いできました。ありがとうございました!
今回お話し頂いたシナリオは、京都科学の周産期全身シミュレータ「Kohona」でお使いいただけます。お気軽にお問い合わせください。

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同志社女子大学 同志社女子大学

6学部11学科の多彩な学びを展開する女子総合大学。看護学部看護学科では本学3つの教育理念「キリスト教主義(愛)」「国際主義(他者理解)」「リベラル・アーツ(知)」を礎に、看護学に関する専門的な知識・技術に加えて、円満な人格と幅広い教養、高い倫理観、人間や環境への深い洞察力を養い、ヒューマンケアに基づく看護実践能力を備えた女性の育成をめざしています。また、2018 年4 月には大学院看護学研究科を設置し、看護学の発展と健康・福祉の向上に寄与できる人材を養成しています。

同志社女子大学 眞鍋先生 眞鍋 えみ子 先生

同志社女子大学 看護学部看護学科 教授

同志社女子大学 和泉先生 和泉 美枝 先生

同志社女子大学 看護学部看護学科 准教授



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