- 介護
入浴させることだけが介護ではない
ーオーストラリアの介護士経験からー
各国で高齢化が進む現代。介護士の需要は世界中で高まっています。
今回の記事では、京都科学のインターン生でオーストラリアの看護師免許を持つWendy Chenが、自身の経験から「オーストラリアの在宅介護」をレポートします。
オーストラリアの介護士経験から
ライター: Wendy Chen
オーストラリアで介護士・看護師として勤務していた。 |
きっかけ
私は、15歳の時に「看護師になりたい」と決めました。
当時、高校に通いながらTAFEと呼ばれる公立の総合専門学校で資格を取得できる制度があり、看護師になる夢のために、Health Care Assistant(病院、老人ホーム、在宅の介護等のスタッフ資格)のコースを受講することにしたのです。
高校卒業後は大学で看護学を勉強しながら、Health Care Assistantとして在宅介護の仕事をしました。
高齢化が進むオーストラリアでは、老人ホームを頼るより、自宅でケアを受けることを推奨しています。
介護士の仕事
私の仕事は患者さんの沐浴やご飯作りだけでなく、介護を提供するにあたり、安全と効率化の為に危険を見分ける能力が必要で、報告の際に改善の提案をすることもありました。
また、患者さんのQOLのために、日常生活の問題も報告する義務がありました。
「患者さんのケアについて家族では手に負えない状態だ」
「患者さんの部屋が汚い」
「浴室に十分なスペースや手すりがない」・・・
等の報告があれば、介護の会社が必ず迅速に解決します。
オーストラリアの制度
ところで、オーストラリアの制度では介護士を含む医療関係者がとても優遇されており、職員の安全は患者より大事だと言われている程です。
そして、介護士が足りない状況と辛い仕事であると認められているため、時給33ドル(約2700円)まで支給している職場もあります。
なぜこんなに大切に扱っているかというと、政府の制度で、危険性がある職場で働く事や怪我をした場合、会社を訴える事ができることができるためです。
介護士経験を経てから看護師に
私は、この様な在宅介護の経験のおかげで、看護師としての自分を高めることができました。
(看護学生の時から)リスクと危険を認識し、コミュニケーション能力と信頼を得て、あらゆる角度から患者さんを理解することにつながりました。
ペイシェントケアとは病院で治療を受けるだけではなく、病気を予防したり、教育したり、患者の家族と家の事情を理解したりする事だと考えています。