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京都科学のSDGs進捗レポート


WEB管理担当のウエハラです。
最近“SDGs”を耳にする機会が増えたと思いませんか?
今回は京都科学の掲げるSDGsと、その取り組みについてご報告したいと思います。

SDGsとは?

持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals

2015年ニューヨーク国連本部において、150を超える加盟国首脳の参加のもと、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。

訪問看護の実施事業所・医療機関数の年次推移

引用URL(UNITED NATIONS):https://www.un.org/sustainabledevelopment/blog/2015/09/commitments-made-at-sustainable-development-summit-to-kickstart-implementation-of-global-goals/

人間、地球及び繁栄のための行動計画として「地球上の誰一人として取り残さない」ことを誓い、2030年までに達成することをめざした17の項目からなる目標です。一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

施設 ・事業所数

引用URL(国際連合広報センター):https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/

京都科学のSDGs

「エクアドル共和国におけるUHC※1人材育成のためのシミュレーション教育の普及」

 京都科学がSDGsへの歩みを始めたのは2018年。
独立行政法人国際協力機構(JICA)による「2018年度第二回 中小企業・SDGsビジネス支援事業」において、わたしたちが提案した「エクアドル共和国におけるUHC※1人材育成のためのシミュレーション教育普及・実証・ビジネス化事業」が採択されたことがきっかけです。

エクアドルでのプロジェクト始動の締結を交わしている写真

(写真左より)エクアドル中央大学センター長/学長/弊社社長 高山/JICAエクアドル事務所 石川所長

背景

 エクアドル共和国では「UHC※1の実現」「保健医療格差是正」を解決課題に挙げており、より高い技能を備えた保健医療職と、疫学動態の変化に応ずる幅広い対応力を備えた人材育成を必要としています。

わたしたちはそうしたニーズを踏まえ、即戦力となる保健医療人材育成に貢献したいと考えました。そこで、シミュレータを用いて現地に適合したシナリオを策定し、実習可能な環境づくりを提供することにしました。

該当目標

ゴール1貧困をなくそう/ゴール3すべての人に健康と福祉を/ゴール10人や国の不平等をなくそう

※1 UHCとは?
UHC(Universal Health Coverage)とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を指し、SDGsではゴール3(健康と福祉)の中で掲げられています。

このプロジェクトのポイント:

  • 京都科学製シミュレータ×エクアドルの教育カリキュラムに合致したシナリオ作り
  • 教育実践と学修効果の測定
  • 当プログラムによる保健医療人材の継続的育成

進捗状況

シミュレータがエクアドルに到着!

2021年6月10日、エクアドル中央大学医科学部(UCE)へ、シミュレータ第一便が到着しました。
そして、感染対策が施された中で、プレスカンファレンスが開催されました。

エクアドルでのカンファレンスの様子

大学の関係者や、現地JICAスタッフ、弊社駐在スタッフ、日本からはオンラインで、弊社社長の高山ほか海外営業が出席しました。

コロナ禍で、本社からの現地入りは叶いませんでしたが、現地では、テレビ局の取材が入るなど盛り上がりを見せた模様です。

実際に京都科学のシミュレータに触れ、その質を確認されたとのこと。シミュレータが現地で使われている様子を目にし、感無量です。

エクアドル中央大学で、シミュレータを使用する先生方の写真

今回納品したシミュレータは…

  • MW10 心臓病患者シミュレータ イチローII
  • MW28 呼吸音聴診シミュレータ“ラングII”
  • M55 フィジカルアセスメントモデル “Physiko”

ほか、なんと30点以上!!!

第二便は、年内を予定しています。

ところで、エクアドルってどんな国?

外交樹立100周年

赤道・サッカー・ガラパゴス諸島といったイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか?

訪問看護の実施事業所・医療機関数の年次推移

日本とは1918年に外交関係を樹立し、2018年には100周年を迎えました。
医療雑学としては、野口英世さんが感染症などの治療に携わった功績もあり、野口英世小学校が現在も存在、2018年には首都キトに胸像が建てられたそうです。
外交面では、地震・火山・津波大国として防災面での技術共有なども盛んに行われているとのこと。南米の中でも、日本と関わりの強い国なんですね。

京都科学SDGsロードマップ

実証期間:

2019年12月~2023年1月(その後も継続支援を予定)

現地での実施機関:

国立エクアドル中央大学医科学部(Universidad Central del Ecuador, Facultad de Ciencias Médicas)

京都科学SDGsのロードマップのイラスト

行動計画:

  1. エクアドルの普及拠点となるUCEに京都科学のシミュレータを導入
  2. 指導者の育成:UCEの担当スタッフを日本へ招致しトレーニング。日本の大学と学術交流の場を提供
  3. シミュレーション教育に精通した日本の先生と協働によるシナリオ作成
  4. 試験運用と検証、改善
  5. UCEと協働で、地域拠点となる大学でのトレーニングを実施

スタッフの意気込み

JICA採択案件のエクアドルでの医療シミュレーター教育の充実をエクアドルに限定せず南米全体に広げていきたいと考えています。
また、日本においては環境に注目し、弊社製品の主材料であるプラスチックの不良廃棄品をなくす努力をメインテーマとし実行していきます。


代表取締役社長 髙山俊之

プロジェクトを通じて、ラテンアメリカ域内でのUHCの達成に保健人材の能力開発によって寄与できるようシミュレーション教育の標準化に取り組んでいます。


エクアドル駐在スタッフ

この素晴らしいプロジェクトがますます多くの人々が医療シミュレーションを活用するための効果的なプラットフォームになるように一緒に頑張りましょう!


本社スタッフ代表 セサル メネセス

終わりに…

 このプロジェクトを通したシミュレーション教育の実施により、必要な手技を身につけた新卒医師が毎年200人以上輩出される見込みです。

実証期間後には、現地に即したシミュレーション教育のシナリオに沿ってビジネス展開を図り、「シミュレータを用いた教育」の質的改善・普及継続を通じて、人材育成を継続支援していきます。

エクアドルにおけるプレスカンファレンス後の集合写真

参考文献

  • 国際連合広報センター 2030アジェンダ(2021年6月時点):
    https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/
  • “Universal Health Coverage” WHOウェブサイト(2021年6月時点):
    https://www.who.int/health-topics/universal-health-coverage#tab=tab_1
  • “Ensure healthy lives and promote well-being for all at all ages overview” 国際連合ウェブサイト(2021年6月時点):
    https://sdgs.un.org/goals/goal3
  • 公益財団法人野口英世記念会 学芸員 森田鉄平『野口英世の遺した絆』(2018年):
    https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/local/pdfs/ecuador_aizu1805.pdf

エクアドル現地メディアTeleamazonas Ecuadorの映像

ライター:ウエハラ

人体模型好きが高じて入社。
現在は、模型とは微妙な距離感を保ちつつ、WEBやカタログ製作に勤しむ。



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