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第75回日本産科婦人科学会学術講演会 ハンズオンセミナー
肩甲難産や胎盤用手剥離の膣内手技を安全に行うための講習【前編】


こんにちは!WEB管理初担当のバヤシと申します。2023年5月13日(土)に開催されました、第75回日本産科婦人科学会学術講演会ハンズオンセミナーの様子を【講義編】【ハンズオンセミナー編】の二本立てでレポートします。講師に岡山大学病院 産科・婦人科の先生方をお招きしました。

今回は 講義編です。シミュレーションの重要性について学んでいきましょう!

最新の分娩シミュレータで学ぼう!

前編:講義編(★当記事です)
後編:ハンズオンセミナー編

ハンズオンセミナーの様子

セミナーに向け、先生方との作戦会議。

はじめに

画像:牧先生顔写真アイコン

衛藤 先生

本日はたくさんの皆様にお集まりいただきましてありがとうございます!

画像:牧先生顔写真アイコン

増山 先生

今回のハンズオンセミナーは、肩甲難産と胎盤遺残について学んでいただきます。使用するシミュレータは岡山大学が監修して完成したもので、岡山大学病院でも実際に研修医や専攻医がこのシミュレータでスキルアップしています。

今日はシミュレータで実際に経験することで、分娩についての技術や考え方を共有できるよい機会にしたいと思います。

最新の分娩シミュレータで学ぼう!
【講義編】

講義(30分)

  1. “前置き:Grit/ツァイガルニク効果”
  2. “産婦人科のシミュレーション教育
  3. “学習者の動機付けを高め、引き出す“
  4. “教育とモチベーション“
  5. “プロフェッショナルを育てる”
  6. “プロフェッショナルが育ちやすい環境づくりとは?
  7. “KonohaⓇ”のシームレス化
  8. 肩甲難産・用手剥離

今回は講義の中でも特に気になったポイントをピックアップしてご紹介します!

「そなえる」ことの重要性

画像:牧先生顔写真アイコン

牧先生

岡山の有名人、桃太郎も(最近は山梨県出身説もありますが(笑))
お供の犬猿雉にインセンティブとしてきび団子を渡してはいますが、
インセンティブだけでは鬼は倒せません。
船の上で相当のシミュレーションをしているはずですよ…!

シミュレーションをする桃太郎一行
画像:牧先生顔写真アイコン

牧先生

我々もシミュレーションを通して普段の臨床に結び付け、不安がある部分の解消に繋げていきましょう!

繰り返しの“やる気”をONにするスイッチ

やる気をONにするスイッチは、みなさまの脳に本当にあるんですよ!

スイッチオンの3条件

  1. 目標の明確化
  2. 自律性の尊重(特に最近の若者に重要視されている)
  3. ★ストレッチジョブ

★ストレッチジョブ(Stretch Job)とは?

画像:牧先生顔写真アイコン

牧先生

自分の能力の限界に挑戦することができる仕事のことです。別名、ゴルディロックスの仕事といいます。少ししんどいな、これは丁度いいなと、感じられるような仕事でないとなかなか上達は出来ないのです。

ストレッチジョブとは
画像:牧先生顔写真アイコン

牧先生

ミシガン大学のノエル・ティッシー先生によると、
易しい】快適なゾーン
少し厳しい】学びのゾーン
かなり難しい】パニックゾーン/闘争・逃走反応
があり、

ストレッチジョブとは【少し厳しい】学びのゾーン、少し汗をかくようなゾーンのこと を指します。それを経験してこそ、皆さまの能力が上がると言われています!

ですが‼ 知識や経験が不足したまま、いきなり現場へ出たりしてしまうといきなり【かなり難しい】パニックゾーンへ到達してしまいます。そうすると『その場から逃げたい』と本能的に感じてしまう、闘争・逃走反応が出てきてしまいます。

闘争・逃走反応を感じる犬
画像:牧先生顔写真アイコン

牧先生

闘争・逃走反応は、一般的にいたって正常な反応です。シミュレータを使用し、明確な課題に向かって自律性が求められるストレッチジョブを何度も繰り返しましょう!


いかがでしたか?【闘争・逃走反応】で逃げ出してしまいたくなる感覚、みなさまも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?日頃の学業や仕事など、日常生活のあらゆるところで活かせそうな内容でしたね!

シミュレーションの良いところは「失敗しても良い」こと。 丁度いいプレッシャーの中手技を学ぶことで、教科書で学んだ知識が「経験」に結びついていきます。

いざ、次回は実践編!知識の再確認の後、分娩シミュレータアドバンスドを用いたシミュレーションで経験を積んでみましょう!

岡山大学大学病院 産科・婦人科の紹介
周産期・婦人科腫瘍・生殖内分泌・ヘルスケアという産婦人科の4専門領域すべての専門医および指導医が在籍しています。モットーは「すべては患者さんのために」。
2025年5月に【第77回日本産科婦人科学会学術講演会】が岡山で開催されます。本記事のハンズオンセミナーもさらにバージョンアップして開催予定です。



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