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第107回 北米放射線学会(RSNA)出展レポート
こんにちは、WEB管理担当のウエハラです。
今年も、世界最大級の放射線学会「北米放射線学会(RSNA)」の時期が近づいてきました。そこで今回は昨年開催された、RSNA2021の出展レポートをご紹介いたします。今年の参加のご参考に、学会の情報収集に、お役に立てれば幸いです。
この記事は「診療放射線技師学校養成所 教材カタログ2022年度版」に掲載の記事をWEB用に書き起こしたものです。
What's RSNA 2021?
RSNAは、世界中の放射線科医、医学物理学者や医療関係者が集まる世界最大規模の放射線学会です。前回は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でVirtual Meetingのみとなりましたが、今回はオンラインとインサイトの両方で2021年11月28日~12月2日の5日間、米国イリノイ州シカゴのマコーミックプレイスを会場として開催されました。
参加者登録総数は約21,000人で、例年の半数程度に留まりCOVID-19のパンデミックが続いていることがうかがえました。
初日は米国外からの参加者が多く、2日目以降にアメリカ国内・南米からの参加者が多かったように思いました。アジア諸国の訪問者は全体的に少ない印象でした。また、バーチャル参加者は、ライブデモンストレーションやライブチャットなどの要素を使用してリアルタイムで出展社と関わることができる仕組みもあり、各出展社で工夫を凝らした演出が見られました。
“Redefining Radiology”
今回のテーマと特徴
テーマは “Redefining Radiology”「放射線学の再定義」で、革新、研究、教育、ネットワークを通じて放射線医学を発展させるため、未来を決定づける最先端の技術や斬新な実践方法が紹介されました。
乳房、心臓、神経、物理学といったあらゆる分野でAIを組み込んだセッションが用意されており、インパクトのあるトピックとして取り上げられていました。
また、COVID関連のイメージングに関する様々な研究や、パンデミックに対応して行われた国際的な診療の変更の成功例も発信されており、コロナ過の経験が活かされたセッションも多くありました。
出展企業も目新しいデバイスやソフトアプリケーションに力を入れて発信しており、AI技術を活用して正確性や再現性を向上させるソフト、ディープラーニングを応用した画像再構成技術を組んだ装置など先端技術が見られました。
感染対策を徹底して開催されたTechnical Exhibits
Technical Exhibitsには約500の企業が出展、またバーチャル展示企業も約50社の参加がありました。入場の際はCOVID-19ワクチン接種要件が実施されており、また、出展社はブースへの専用の出入り口を備えた追加の予防措置(追加ブース清掃や広いスペース、タッチレス要素、デジタル体験など)が組み込まれ感染対策もしっかりされていました。
京都科学の展示
京都科学では、放射線関連製品と超音波関連製品の2つのブースに分けて来場者にアピールしました。どちらのブースも来場者が絶えず、これまで経験したことのないほどの反響でした。
放射線ブース
胸部ファントムが人気の放射線ファントム
ラングシリーズを中心に肺炎関連製品、動態ファントム、DECT評価用ファントムなどを展示、多くの来場者の目を引きました。
COVID-19の影響もあり、胸部ファントムの問い合わせや購入したいとのコメントが多かったように思います。腫瘍のバリエーションも新たに追加され、あらゆる状況を設定して撮影できるポイントが好評でした。又、動態系のファントムもたくさんの人が興味深々に立ち止まっていただきました。
出展品
胸部ファントムN-1ラングマン/N-1用肺炎模擬腫瘍・チェスト・乳房プレート/小児胸部ファントム5Y型/CT心臓胸郭動態ファントム/心臓動態ファントム(参考出展)/新生児全身ファントムPBU-80/DECT評価用ファントム/PET・SPECTファントム用パーツ/ムービングファントム(参考出展)
超音波ブース
小児モデルやブレスト関連が人気の超音波ファントム
売れ筋のラインナップに加え婦人科ファントムの新ユニット、エコーラング、甲状腺バイオプシーなどの新製品・参考品を多数展示しました。
小児モデルやブレスト関連製品の問い合わせが多く、ニーズがある分野の一つだと感じました。
新たなニーズを発見できるのもこのような展示会ならではだと思います。また、販売店の協力もあり多くのお問い合わせをいただきました。
出展品
婦人科超音波診断ファントム/乳房超音波診断ファントムBREAST FAN/胎児超音波診断ファントムSPACE FAN-ST/ ベーシック超音波ファントム/新生児頭部ファントム/甲状腺バイオプシー(参考出展)/エコーラング/DVTファントム(参考出展)/マルチモダリティファントム(参考出展)
終わりに
より臨床に近い画像が得られるような再現性とアナトミカルなファントムは京都科学の強みであり、よりたくさんのユーザーに使っていただけるよう情報を発信していきたいと思います。
編集後記:今回海外の展示会に初めて参加して感じたことは、規模の大きさ、来場者層・地域の幅広さです。研究者・教育者・学生・出展業社・販売店などあらゆる方面の方々にお立ち寄りいただき、京都科学をご存知の方も、初めての方も皆、細やかなつくりが素晴らしいとの感想をいただきました。製品への高い評価をたくさんいただき、メーカーとしてより広く世界中の人たちに知っていただくと共に、医療・教育に貢献できるよう尽力していきたいと思います。 (西澤)
Reporter: 西澤 悠貴
2021年渡米。Kyoto Kagaku America Inc. スタッフ |