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放射線の世界3大展示会"ITEM"に潜入!
京都科学の展示会レポート


こんにちは!京都科学のアラハタです。
今回はアラハタが実際に参加した、京都科学の展示会レポートをお送りします。
舞台は「2025国際医用画像総合展」。ITEM(アイテム)の呼び名で親しまれている、放射線をテーマにした日本国内で開かれる大きな展示会です。2025年4月11日(金)~13日(日)にかけて、パシフィコ横浜で開催されました。

パシフィコ横浜とITEM会場の様子

今回はスペシャルゲストとして、一緒に参加した頭部CTファントム ACS型のアックス君にも来てもらったので、説明を手伝ってもらいます!

画像:頭部CTファントムACS型のイラストアイコン

アックス君

初出演で頭カチコチ……、でも頑張るよー

まずはITEMが何者なのか、皆さまにご紹介します。

アックス君こと頭部CTファントムACS型を高く掲げる様子

天高く掲げられるアックス君こと頭部CTファントム ACS型

ITEMとは何者か?

ITEM(The International Technical Exhibition of Medical Imaging)は、日本ラジオロジー協会(JRC)が主催、日本画像医療システム工業会(JIRA)が運営する、先進的な技術や装置が集結する放射線医療関連製品の大きな展示会です。その大きさから、放射線の世界3大展示会と称されています。

  • RSNA(Radiological Society of North America): アメリカ シカゴ
  • ECR(European Congress of Radiology): オーストリア ウィーン
  • ITEM(The International Technical Exhibition of Medical Imaging): 日本 横浜

世界3大放射線展示会のイメージ図

画像:頭部CTファントムACS型のイラストアイコン

アックス君

京都科学はこの3つすべてに出展しているんだな!(ドヤ)
記事も書いてるから見てねー
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ITEMは例年、神奈川県のパシフィコ横浜で開催されますが、同時期に下記の3つの学会が開催されていたこともあり、3日間の累計来場者数は1万8千人を超え、出展社数も150社と会場は大盛況でした!

  • 日本医学放射線学会(JRS)
  • 日本放射線技術学会(JSRT)
  • 日本医学物理学会(JSMP)

ITEM2025の実入場者ユニーク数の円グラフ

京都科学の展示品

それではここで、京都科学の展示物のご紹介です!
(全部を紹介してしまうとこの記事が超大作になってしまうので、アラハタとアックス君とで相談して、3つに絞りました)

1. 放射線治療の新ブランド「THE KEY」

まずは今回の目玉とも言えるでしょう、放射線治療の新ブランド「THE KEY」のご紹介です!
THE KEYは、放射線治療分野を支えるユーロメディテック社と医療教育分野でものづくりを行う京都科学が手を取り合い立ち上げたブランドです。

今回のITEMでは3製品、

  • 水等価スラブファントム THE KEY WATER
  • 電子密度ファントム THE KEY DENSITY
  • 動態プラットフォーム THE KEY DYNAMIC

がお披露目されました!

より確かな放射線治療検証を目指し、両社がこれまで培ってきた知見を組み合わせて、高い品質と利便性に強いこだわりをもって製品を作り上げました。

THE KEYの製品画像

右から時計回りに、電子密度ファントム THE KEY DENSITY→動態プラットフォーム THE KEY DYNAMIC→水等価スラブファントム THE KEY WATER

画像:頭部CTファントムACS型のイラストアイコン

アックス君

水等価スラブファントムと電子密度ファントムはユーロメディテック社のブースで展示されたよ。みんな見てくれたかな!


2. 実際に圧迫できる乳房ファントム「可変型乳房ファントム Comp-AY型」

これまでの放射線ファントムは硬質の素材で作られていたため、実際に押しつぶしたり、変形させたりすることができませんでした。

そんな中、放射線に対応した軟質素材を開発したことで、マンモグラフィ装置で実際に押しつぶせる乳房ファントム「可変型乳房ファントム Comp-AY型」が完成しました。

人体に近い写り方をする模擬腫瘤や模擬乳腺を再現しているので、画像評価や撮影条件の検討を行うに自信をもっておすすめできるファントムです!

マンモコーナーの様子

中央の黄色いのが「Comp-AY型」、手前ある半球体の半透明とライトベージュが「乳腺バイオプシーファントム」、右下の四角いオレンジが「日常点検ファントム」

画像:頭部CTファントムACS型のイラストアイコン

アックス君

Comp-AY型を筆頭に、BREAST FAN乳腺バイオプシーファントム日常点検ファントムのマンモ4製品で囲んだ「マンモコーナー」は大人気だったな!


3. 線質依存性が水と同等の素材で作られた「DECT評価用ファントム TR-J型/TR-I型」

2種のエネルギー帯で画像評価するデュアルエナジーCTでは、検証や研究の際にアクリル水槽に水と試料を入れる方法(いわゆるアクリル水槽ファントム)が主流でした。しかし、水槽に水を入れたり、気泡を抜くために長時間待つ必要があったりと手間が難点でした……。

そこで開発されたのが、水と同じ線質依存性を持つ素材「Aqua Slab」です。水と同じく、どのエネルギー帯においても同じCT値を示すので、デュアルエナジーCTであっても試料が持つエネルギー特性を純粋に評価できるというわけです。

このAqua Slabから作られたDECT評価用ファントムTR-J型/TR-I型は、京都科学が世界に誇る製品の1つです!


DECT評価用ファントムTR-J型/TR-I型の画像
画像:頭部CTファントムACS型のイラストアイコン

アックス君

ここだけ見ると京都科学は素材の会社に思えちゃうけど、一番の強みは「ファントムでリアルな人体形状が作れちゃうところ」なんだなー。ぼくの頭みたいにね!


ITEMを振り返って

京都科学の今アツい製品を皆さまにご紹介できる機会ということもあり、展示員の説明からはメラメラと熱量が感じられました。(実際、ブース内も4月上旬とは思えない暑さでした)

展示員として参加したアラハタも振り返ってみると、皆さまとのトークが楽しく、それでいてちょっぴり賢くなった感じがします。

京都科学展示ブース様子1 京都科学展示ブース様子2
画像:頭部CTファントムACS型のイラストアイコン

アックス君

僕に興味を持ってくれた方もいたんだな!ありがとう!


18㎡の展示ブースに、本当に多くの方にお越しいただきました。ありがとうございました!
今回の記事で興味を持ってくださった方、ぜひ来年はお越しくださいませ。



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