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潜入!VR認知症体験プロジェクト
こんにちは!SimSim記事担当のハシモトです。
ゲーム界ではどんどん普及が進んでいるVR(バーチャルリアリティ)、みなさんは体験したことがありますか?
VRは五感の刺激により仮想空間を現実のように体感できる技術で、現在はゴーグルのようなものをつけて体験するのが一般的。最近、様々な分野で活用が始まっています!
VRを活用した医療教育
今回取材したのは、株式会社シルバーウッドさんの主催する「VR認知症体験プロジェクト」の体験会。
認知症に対するポジティブな感情を発信し、認知症を体験することで当事者の方々への理解を深めることが目的で、体験会ではファシリテーターによるお話があったり、認知症の方からのビデオメッセージなども上映されます。
開発の意図・VRの説明から体験会がスタート。みなさん、興味津々です。
高齢者住宅の運営を通し、「認知症だからこういう行動・言動が起こる」で済んでしまう現状を目の当たりにしてこられたシルバーウッドさん。
その中で、VRで認知症体験ができれば認知症の方の行動の理由を想像できるようになり、自分なりに向き合うきっかけになるのでは考えられたとのことでした。
いざ、装着!既にキョロキョロ周りを見回す方も…
背景をしっかり理解したところで、お待ちかねのVR体験がスタート!
ここからは、今回体験したコンテンツの中身を少しご紹介します。
①認知症の中核症状を体験
認知症の中核症状体験は、認知症の方と接する中で腑に落ちなかった行動を、認知症の方の目線で想像していくコンテンツです。
ただの記憶障害ではなく、『理由があって』起こる行動かもしれない。そんな想像力を養うことが目的だそう。
VRで見えるシーン。
付き添いの介護士の方から「降りましょう」「足を出してみましょう」と優しく声をかけられる、というシチュエーションなのですが、自分がいるのはなんとビルの屋上!
「いくら優しくいわれてもこれは…」と皆さんおそるおそる下を覗いています。
皆さん、不安そうに足下を覗きこんでいます。そっと足を出してみる人も。
体験後の意見交換では、
(認知症の人の感じ方について)自分のイメージしていたのとは違いました。こんな風に見えているなら怖い。
(降りてと言われても)パニックというか。置かれている立場がわからなくて、ここどこなんだろうって。認知症の方がこう見えていると思うと、配慮の仕方を考えないといけないのかなと。
といった声が聞かれ、知識として知っていた認知症と体験して感じた認知症のギャップに議論が弾んでいました。
②レビー小体型認知症の症状、幻視を体験
続いて体験したのは、レビー小体型認知症当事者の樋口直美さんが監修された「幻視」のコンテンツ。日常のワンシーンの中にあらわれる幻視を体験することができます。
VRで見えるシーン。目に映るもののどれが幻視か、見分けがつきますか?
どんな体験ができるかは、ぜひ実際の体験会でトライしてみてください!
おわりに
どんどん広がるVRプロジェクト
シルバーウッドさんによると、体験会は医療従事者にとどまらず、公立高校などその輪はどんどん広がっているそうです。
「相手の立場になって物事を見つめ、様々な偏見を溶かしていきたい」と発達障害などのコンテンツも開発中とのこと。
2025年には、日本に暮らす65歳以上の認知症の人の割合が20%を超えると言われれています。
医療従事者だけでなくあらゆる人が認知症と向き合い、少しずつ理解が進んで助け合える。そんな未来への第一歩になる体験でした!
体験会にご興味のある方は、下記シルバーウッドWEBよりお問い合わせください。
おまけ。
体験会でもらえるゴーグル型パンフ。参加の際は是非お気に入りを見つけてみてください!
今回ご紹介したVR認知症プロジェクトを運営されている会社。
高齢者住宅・施設の運営などを行っており、その分野での知見を活かし、VRコンテンツの企画開発をされています。