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“医療的ケア”その先にある日常生活を豊かにしたい【後編】


JANAのイラスト画像

この記事の前編を読む

“医療的ケア”その先にある日常生活を豊かにしたい【前編】

  • 対談者 自己紹介
  • 医療的ケア児に係る人材育成とJANAの活用意義
  • 開発秘話

広がるJANA活用の輪

ex.01 看護大学で

地域・在宅療養生活支援論

【対象者】学部3年生
【時間】 講義1コマ+演習2コマ
【目的】 在宅の医療機器およびケアの特徴や管理方法を体験的に学び、
支援のあり方を考える

JANAを使用した授業の様子

画像提供:久留米大学


ex.02 三号研修で

通所サービスの福祉職向け研修

【対象者】通所施設職員
【時間】 3時間
【目的】 法制度の理解
経管栄養や喀痰吸引の習得

医療的ケア児について

画像提供:一般社団法人日本医療的ケア看護職員支援協会


ex.03 地域の多職種連携で

小児医療的ケア研修会

【対象者】地区の医療的ケア児支援関係者
【時間】 講義1時間+演習1時間半
【目的】 体内を可視化した「医療的ケア児モデル人形」を活用することで、医療職だけでなく、介護・保育・行政など多職種による支援の輪を広げる

公立豊岡病院組合立豊岡病院にてJANAを用いた実習の様子と看護学生がJANAを抱っこするイラスト

画像提供:公立豊岡病院組合立 豊岡病院


ex.04 地域教育で

皆が暮らしやすい社会へ 啓蒙活動

【対象者】地域住民等
【目的】 医療的ケア児について知る

医療的ケア児について

ex.05 保育園で

医療的ケア児の入園に向けた研修

【対象者】保育士・看護師
【時間】 1時間半
【目的】 小児の心肺蘇生を学ぶ、てんかん発作時の対応を知る

医療的ケア児について

今後の展望をお聞かせください

画像:渡邉理恵先生顔写真アイコン

渡邉先生

「認知症」については、最近では地域理解も高まり、患者の尊厳も守られるようになってきたと感じています。同様にして「医療的ケア児(者)」が、普通に地域で生活していることを知ってもらえるよう、JANAと一緒にすそ野を広げていきたいです。それと並行して、地域全体の医療職のレベルアップをサポートしていきたいと考えています。

画像:田代恵野様写真アイコン

田代様

医療的ケア児が、地域の中で成長できる環境づくりをしていきたいです。また、JANAと一緒に全国に出張して、各地域のニーズに応じた研修をしていきたいと思います。

医療的ケア児が暮らす地域社会

コラム:医療的ケア児や人々のイラスト

渡邉先生:数年前のことですが、気管カニューレを付けた子ども(普段は呼吸器なしで活動)が地域の小学校に自分の足で通うことになったんです。地域の総会が開かれJANAを用いて気管切開について説明したところ、一人の方が手を挙げてくださり、全戸に周知してくださることになりました。そのお子さんは現在も、元気に通学しています。通学時のみならず地域の行事などに参加しても、偏見や特別扱いなしに見守って下さる方が増えることが大切だと実感しています。

田代様:子どもたちの中には、成長につれ気管カニューレを自分で装着できるようになる子もいますが、学校で外れた際の自己装着後に医師や看護師の確認が必要なケースがありました。 学校内に医師はいませんので、万が一の対応について困っていたのですが、学校の目の前にあったクリニックに相談してみたところ、二つ返事で引き受けてくださったんです。それ以降、地域連携の可能性に気づき、学校や施設近くの医療機関に相談するようにしています。


取材ご協力

写真:渡邉理恵先生の写真 渡邉 理恵 先生
久留米大学 医学部看護学科 在宅看護学

在宅看護に求められる「人と繋がり人を繋ぐ」新たな力

看護も病院中心から地域でより生活に密着した活動を展開する時代となりました。生活の場で他(多)職種がそれぞれの専門性を発揮できるようなチーム作り、職種の垣根を超えて信頼関係を基盤とした繋がる力が求められています。医療・介護・保育・教育・行政のどの立場も相互に役割を理解し、信頼して任せ、療養児(者)と家族にも力を発揮していただきながら、地域で暮らす人々の豊かな生活を支えていける人材育成(仲間づくり)にこれからも注力していきたいと考えます。
写真:田代恵野様の写真 田代 恵野 様
一般社団法人 日本医療的ケア看護職員支援協会
写真:日本医療的ケア看護職員支援協会ロゴ 一般社団法人 日本医療的ケア看護職員支援協会
医療的ケア児・者が生涯に渡り切れ目ない支援が得られる豊かな地域生活と共生社会を目指して

障害児(者)及び日常生活において医療的ケアを必要とする児(者)が利用する福祉・教育施設等で支援に関わる看護職員の人材育成及び職能の確立等を通して、「医療的ケア児(者)」が生涯に渡る切れ目ない支援が得られ、豊かな地域生活と共生社会の実現を目的としています。

【この事例で使用した製品はこちら】
[画像:医療的ケア児モデル JANA]

監修・指導:久留米大学医学部看護学科 渡邉理恵
実用新案登録 第3245319号(共同出願)

モデル&アプリで学ぶ

医療的ケア児モデル JANA

MW77 11481-000




小児(乳児)に対する医療的ケアやBLSをトレーニングし
医療的ケア児への実践的な支援を学ぶモデル

  • 気管切開部のケア
  • BLS評価
  • 胃ろうケア、経管栄養/吸引カテーテルの挿入
  • 胸骨圧迫/BVMによる換気
  • 抱っこの練習



こだわり&おすすめポイント

解剖がわかる カテーテルが見える
  • 皮膚をめくると肋骨・肺・気管支が見え 首の柔らかさも再現
  • 気管支が透明になっておりカニューレ部を可視化
コラム:医療的ケア児や人々のイラスト 心肺蘇生の評価ができる
  • 付属のアプリで心肺蘇生を自動評価
    速さ(CPM)/深さ/換気量ほか正確度を算出
コラム:医療的ケア児や人々のイラスト 軽量かつ携行性が高いので すぐに使える
  • 家族間、多職種間の研修など地域で連携して活用できる
コラム:医療的ケア児や人々のイラスト
画像:渡邉理恵先生顔写真アイコン

渡邉先生

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久留米大学医学部看護学科 在宅看護学 渡邉 理恵
ご意見・ご感想はこちら Watanabe_rie@kurume-u.ac.jp



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