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新生児科研修プログラム
小児科・新生児科領域に熱い息吹を!
症例数が豊富な病院で臨床と研究に取り組む

今回は、東邦大学医学部新生児学講座での研修プログラムについてレポートします。

*この記事は2021年度 医学・歯学教育教材カタログに掲載された特集をWEB用に再編したものです。

~以下レポート~

胎児期から関われる、外科に強い新生児科医を目指す

与田 仁志 先生

東邦大学医学部 新生児学講座 教授

与田先生写真

新生児は一生のうちでも有病率が高く、早産の赤ちゃんやいろんな病気の新生児を診るのが新生児科です。小児科の一部門ですが、歴史的に産婦人科から派生しており産科との結びつきが強い診療科です。東邦大学は全国で初めて講座として独立しました。周産期という文字通りお産を取り巻く分野で、妊婦さんや生まれる前後の赤ちゃんを周産期母子センターや新生児集中治療室(NICU)で診療しています。
東邦大学では、新生児期だけでなく生まれる前の胎児から母体を通して診ていくのが特徴です。また、退院して成長した児を学童までフォローアップしていく診療もしています。専門性が高いのでスタッフ医師は小児科(産婦人科)の専門医を取得してからさらに周産期(新生児)専門医を目指し、まさにスペシャリストとして活躍しています。

新生児頭部エコーを教えている様子

生まれる前から、生まれた後も診る小児科医
胎児期から診られる小児科医を目指す

トレーニングの写真3枚

新生児科は、総合周産期母子医療センターにあるNICUや回復した赤ちゃんを診る回復期治療室(GCU)が活躍の場となります。特にNICUでは重篤な赤ちゃんが多く、救命のために奮闘しています。しかし、ただ命を救うだけではなく、その後の成長の過程で何の障害も起きない「後遺症なき生存」を目指して治療を行っています。

東邦大学医療センター大森病院 新生児科プログラム

NICUとGCUで活躍するプロフェッショナルを目指して

新生児科プログラム

医学生:新生児頭部エコー

脳室内出血の場所を目で見て学べる

ランドマークとなる大泉門、小泉門を冠状断面方向と矢状断面方向にプローブを動かしながら、全体像を把握。異常であることを判断するためには、各基準断面における正常を理解していることが必須です。実際に手を動かしながら、身体でプローブの操作と正常イメージを学ぶことを重点的に指導していきます。

新生児頭部エコー

脳室内出血が起こる位置を確認 冠状断面

【医学生の声】

[画像:男性アイコン]

実際の幼児用プローブを使って繰り返し練習できて良い。出血しやすい部位や脳室周囲白質軟化症(PVL)で見るべき部位を一つ一つ確認できた。

  

初期研修医:気道管理・経管栄養

シミュレータトレーニング
気道開通の処置、人工呼吸、胸骨圧迫、気管挿管など新生児蘇生に必要な手技をリアルにトレーニングするためにハンズオンを行います。
臨床
低出生体重児や新生児仮死など各患児にあわせた手技や観察の前段階として、チューブ挿入時の位置確認をはじめとした、基本手技を実践します。

シミュレーションと臨床現場の写真

シミュレータトレーニングと臨床を繰り返してスキルアップ

【初期研修医の声】

[画像:女性アイコン]

難易度が高くて蘇生法の良い練習になった。挿入位置確認で、空気を入れた時の音を確認できて良い。

専攻医:臍帯静脈ルート確保から採血まで

薬剤投与・緊急時対応の実践訓練に役立つ

静脈ルートの中で迅速な確保が可能な臍帯静脈カテーテルについて臍帯の切断からはじまり、蘇生中の緊急使用を目的としたルート確保等を含めカテーテル挿入法の手順を実際にシミュレーションします。

臍帯静脈の処置

静脈と動脈を再現した臍帯(シミュレータ)

【専攻医の声】

[画像:男性アイコン]

臍帯がリアルに再現されていて処置を一通りできたのが良かった。

専攻医:経皮的PIカテーテル

臨床の実践直前に有効

高度な技術を要求されるPIカテーテル挿入に関して、後期研修医向けにシミュレータを使用した実践形式のトレーニングを行います。臨床では、感染リスクをともなう手技のため、習熟した経験が求められます。

PIカテーテル挿入

【専攻医の声】

[画像:女性アイコン]

臨床であまり体験できてなかったので、とても勉強になった。

指導医の想い

日根 幸太郎 先生

東邦大学医学部 新生児学講座 助教

日根先生の写真

学生については、現場にまだ出てないので、アルゴリズムの理解を一番重きに置いていて蘇生の基本処置を体を動かしながら勉強してもらってます。初期研修医になると、NCPRのAコース※を取得するためにシミュレータを使って練習してもらってます。このシミュレータでできるPIカテーテル挿入は、基本的には実地でやってる手技なので、やはり事前にシミュレータを使って準備から固定までの一連の流れをできると良いですね。
※新生児蘇生法「専門」コース[日本周産期・新生児医学会]


石嶺 里枝 先生

東邦大学医学部 新生児学講座 後期レジデント

石嶺先生の写真

実際のNICUの赤ちゃんは触らせられず、シミュレータだと触って見てもらえるので、最初は乗り気でない学生も触ったらおもしろいようで反応は良いです。私が新生児科をまわった時は先生がやるのを後ろで見学するだけでした。今の学生には、先生に教えて頂いた内容を私なりにまとめて教えています。リアルに作られているので、新生児科で最低限知ってほしいところをエコーで描出して見れるところが良いなと思ってます。


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